C-GABとは?特徴・対策・他テストとの違いを徹底解説
2025.05.14 更新


監修者
熊谷 直紀
監修者熊谷 直紀
横浜国立大学理工学部卒。株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。
C-GABの概要
C-GABとは何か?
C-GAB(シーギャブ)は、日本SHL社が提供する就職・転職活動向けの適性検査です。
特に大手企業や総合商社、金融機関などで多く導入されており、応募者の基礎学力や論理的思考力、英語力、パーソナリティ(性格)を総合的に評価するために活用されています
C-GABは「テストセンター形式」で行われ、全国の指定会場で受検します。
他のWebテストと異なり、試験監督のもとで受検するため、公平性と信頼性が高いのが特徴です。
C-GABの導入背景と目的
C-GABが多くの企業で導入されている背景には、
「短期間で大量の応募者を客観的かつ効率的に評価したい」という企業側のニーズがあります。
学歴や職歴だけでは見抜けない、論理的思考力・数的処理能力・英語力・性格傾向を可視化し、
自社の求める人材像に合致するかどうかを判断するためのツールとして活用されています。
また、C-GABは「GAB」「WebGAB」などの姉妹テストと比較して、
より多様な受検者を全国規模で一斉に評価できる点が評価されています。
C-GABを提供する日本SHL社について
日本SHL社は、適性検査やアセスメントツールの開発・提供において国内外で高い実績を持つ企業です。
GABシリーズや玉手箱など、多くのWebテストを開発しており、
その信頼性と導入実績から多くの大手企業が日本SHL社のテストを採用しています。
C-GABの受検形式と試験内容
C-GABの受検方式(テストセンター形式)
C-GABは「テストセンター形式」で実施されます。
受検者は全国各地にある専用会場(テストセンター)に予約を取り、指定された日時に会場のパソコンで受検します。
試験監督が常駐しており、本人確認や不正防止対策も徹底されています。
この方式により、自宅受検型のWebテストに比べて、カンニングや替え玉受検などの不正リスクが大幅に低減されています。
出題科目と配点(言語理解・計数理解・英語・パーソナリティ)
C-GABは主に以下の科目で構成されています。
- 言語理解(国語)
- 計数理解(数学・論理)
- 英語(Reading Comprehension)
- パーソナリティ検査(性格検査)
言語理解の特徴と例題
言語理解では、長文読解や論理的な文章の要約、空欄補充などが出題されます。
ビジネス文書や新聞記事をもとに、要点を読み取る力や論理的な思考力が問われます。
- 例題:「以下の文章を読んで、最も適切な要約を選びなさい。」
計数理解の特徴と例題
計数理解は、表やグラフの読み取り、四則演算、割合・比率、論理パズルなど多岐にわたります。
単純な計算だけでなく、複数の条件を整理して答えを導く論理的思考力が重要です。
- 例題:「下記の表をもとに、A社の売上が前年より何%増加したかを計算しなさい。」
英語の特徴と例題
C-GABでは英語の読解問題も出題されます。
ビジネス英語や論理的な英文を読み、設問に答える形式です。
TOEICやTOEFLのようなリスニングやスピーキングはありませんが、英文を正確に読み取る力が求められます。
- 例題:「次の英文を読んで、内容に合致する選択肢を選びなさい。」
パーソナリティ検査の内容
パーソナリティ検査では、受検者の性格傾向や価値観、行動特性を評価します。
「あなたは新しいことに挑戦するのが好きですか?」などの質問に、「はい」「いいえ」「どちらともいえない」などで回答します。
この検査に合否はありませんが、企業が求める人物像に合致しているかを判断する材料となります。
試験時間・問題数・受検の流れ
C-GABの試験時間はおおむね60~90分程度です。
各科目の問題数や配点は企業ごとに微調整される場合がありますが、全体としてはバランスよく基礎学力・論理力・英語力・性格を評価できる構成になっています。
受検の流れは以下の通りです。
↓
企業からC-GAB受検の案内を受ける
↓
テストセンターの予約を行う
↓
当日、指定会場にて本人確認・受検
↓
結果は企業側に直接送信される
C-GABと他の適性検査(GAB・WebGAB・SPI・玉手箱)との違い
GAB・WebGAB・C-GABの違い(受検形式・内容・所要時間)
項目 | GAB (ペーパー) |
WebGAB (自宅) |
C-GAB (テストセンター) |
---|---|---|---|
受験 場所 |
企業会場 | 自宅 | テスト センター |
監督 | あり | なし | あり |
出題 内容 |
言語・ 計数・ 性格 |
言語・ 計数・ 性格 |
言語・ 計数・ 英語・ 性格 |
不正 防止 |
強い | 弱い | 強い |
結果の 使い回し |
不可 | 不可 | 企業によっては 不可 |
所要 時間 |
60~90分 | 60~90分 | 60~90分 |
- C-GABはテストセンター型で、英語科目が加わっている点が最大の特徴です。
SPI・玉手箱との違い(出題傾向・難易度・業界での使われ方)
項目 | C-GAB | SPI | 玉手箱 |
---|---|---|---|
運営 会社 |
日本SHL | リクルート | 日本SHL |
受験 形式 |
テストセンター | Web/ テストセンター |
Web/ テストセンター |
出題 内容 |
言語・ 計数・ 英語・ 性格 |
言語・ 非言語・ 性格 |
言語・ 計数・ 英語・ 性格 |
難易度 | 高い (特に商社・金融) |
標準~ やや 易しめ |
標準~ やや高め |
英語 出題 |
あり | 企業に よる |
あり |
使われる 業界 |
商社・ 金融・ 大手 |
幅広い 業界 |
商社・ 金融 ・大手 |
特徴 | テストセンター型・ 公平 |
問題数 多い・ 基礎力 重視 |
スピード勝負・ 電卓可 |
- テストセンター受検:不正防止、全国どこでも公平に受検可能
- 結果の使い回し:一部企業でC-GABのスコアを使い回せる場合あり
- 難易度が高い:特に商社・金融業界では高得点が求められる
- パーソナリティ検査のカスタマイズ性:企業ごとに求める人物像に合わせて設問が調整される
C-GAB対策の具体的な方法
効果的な勉強法とおすすめ教材
C-GAB対策のポイントは「出題形式に慣れること」「時間配分を身につけること」「英語力を強化すること」です。
市販の問題集・参考書の比較
C-GAB専用の問題集や、日本SHL社のGAB・玉手箱対策本が市販されています。
『C-GAB完全突破問題集』『最新GAB・WebGAB・C-GABの完全対策』などが代表的です。
これらの問題集を繰り返し解くことで、出題傾向や問題パターンに慣れることができます。
また、解説が丁寧なものを選ぶと復習がしやすく、苦手分野の克服に役立ちます。
無料で使える練習サイト・アプリ
Web上にはC-GABやGAB形式の模擬問題を提供している無料サイトもあります。
「C-GAB 無料 問題」などで検索すると、実際の出題傾向に近い問題を体験できるサイトが見つかります。
スマートフォンアプリを活用すれば、通学・通勤時間やスキマ時間にも手軽に練習できます。
ただし、無料サイトの中には古い問題や誤答が含まれている場合もあるため、信頼できるサイトを選ぶことが大切です。
時間配分と解答テクニック
C-GABは制限時間が厳しいため、時間配分が合否を左右します。
まずは全体の問題数と制限時間を把握し、1問あたりに使える時間を計算しましょう。
分からない問題にこだわりすぎず、飛ばして次に進む勇気も必要です。
また、計算問題はメモ用紙を活用し、途中計算を残すことでミスを減らせます。
言語分野では、設問を先に読んでから本文を読むことで、効率的に解答できます。
よくある失敗例とその回避策
C-GABでよくある失敗例としては、「時間切れで最後まで解けなかった」「見直しの時間が取れなかった」「ケアレスミスが多かった」などが挙げられます。
これらを防ぐためには、模擬試験を繰り返し受けて、本番と同じ環境で練習することが効果的です。
また、問題ごとに解き方のパターンを身につけておくことで、初見の問題でも落ち着いて対応できるようになります。
C-GABを採用している主な企業一覧
業界別・代表的な導入企業(総合商社・金融・メーカー・IT等)C-GABは特に難関企業や大手企業で多く導入されています。
2025年時点でC-GABを採用している主な企業例は以下の通りです。
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 住友商事
- 丸紅
- 双日
- 野村證券
- 大和証券
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほフィナンシャルグループ
- 東京海上日動火災保険
- 三井住友海上火災保険
- 日本生命保険
- NTTデータ
- 日立製作所
- ソニー
- パナソニック
- トヨタ自動車
- 本田技研工業
このほかにも、総合商社・金融・メーカー・IT・インフラ・保険など幅広い業界の大手・有名企業で導入されています。
企業がC-GABを選ぶ理由とボーダーラインの傾向
- 公平性・信頼性の高さ:テストセンター受検により不正リスクが低い
- 英語力・論理力の重視:グローバル人材や論理的思考力を重視する企業に最適
- 大量応募者の効率的な選抜:短期間で多くの応募者を一斉に評価できる
- ボーダーラインの傾向:総合商社や金融では特に高得点が求められる傾向
C-GABに関するデータ・統計情報
受験者数や導入企業の推移
近年、C-GABを導入する企業は増加傾向にあり、特に総合商社や金融機関の新卒採用での利用が拡大しています。
受験者数も年々増加しており、2020年代には年間数十万人規模が受検しています。
分野別の平均正答率・難易度
- 言語理解:平均正答率60~70%
- 計数理解:平均正答率50~60%(難易度高め)
- 英語:平均正答率40~60%(企業・年度による差が大きい)
特に計数理解と英語の難易度が高く、苦手な人は早めの対策が重要です。
企業が重視するポイントの傾向
- 総合商社・金融:計数理解・英語の高得点が必須
- メーカー・IT:バランスよく得点できることが重要
- 性格検査:企業ごとの求める人物像に合致しているか
企業ごとのC-GAB活用事例
総合商社A社:エントリーシート通過者全員にC-GAB受検を課し、上位得点者のみ面接へ進める
金融機関B社:C-GABの計数理解・英語のスコアを重視し、一定基準未満は自動的に不合格
メーカーC社:C-GABの性格検査結果を、面接時の参考資料として活用
まとめ|C-GAB対策で押さえるべきポイント
C-GABは、就職活動や転職活動において避けては通れない重要な適性検査です。
特に総合商社や金融機関を志望する場合は、C-GABでの高得点が合格のカギとなります。
本記事で紹介した「出題傾向の把握」「効率的な勉強法」「時間配分の徹底」「模擬試験による練習」「業界ごとのボーダーライン」などを意識して対策を進めましょう。
最新の情報を常にチェックし、自分に合った対策法を見つけて、万全の準備でC-GABに臨んでください。
よくある質問
Q. テストセンターでの持ち物は?
A. 本人確認書類(運転免許証・学生証など)、受検票、筆記用具(必要な場合)を持参しましょう。
Q. 当日体調不良やトラブルがあった場合は?
A. 早めに企業やテストセンターに連絡し、再受検の可否を確認しましょう。
Q. 結果はいつ、どのように分かる?
A. 結果は受検者には通知されず、企業側に直接送信されます。